記事一覧に戻る
外国人は日本の不動産を購入できる?規制の現状と今後の動向を税理士が解説

2026-06-28

物件評価・購入

外国人は日本の不動産を購入できる?規制の現状と今後の動向を税理士が解説

外国資本による不動産の買い占めが話題になることが増えていますが、日本には国籍を理由に不動産取得そのものを禁止する法律はありません。一方で、安全保障の観点からの規制や国籍情報の把握体制強化など、今後の動向には注意が必要です。税理士が現状と今後の見通しを解説します。

近年、外国資本による日本の不動産取得が増えているとのニュースを目にする機会が多くなりました。「外資に不動産を買い占められるのでは」という不安の声もありますが、現行制度上、国籍を理由に不動産の取得自体を禁止する法律は存在しません。本記事では、外国人による不動産取得に関する現状の規制と、今後の法改正の動向について税理士が解説します。

外国人の不動産取得に関する現状

現行の日本の法制度では、外国人・外国法人であることを理由に不動産の購入・所有を直接制限する法律はありません。日本国籍を持たない個人や外国法人であっても、原則として日本人と同様に土地・建物を自由に取得できます。これは、諸外国の一部にみられる外国人の土地所有を制限する制度とは異なる点です。

関連する規制①重要土地等調査法

令和4年(2022年)に施行された「重要土地等調査法」(重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律)では、自衛隊基地や国境離島などの周辺地域が「注視区域」「特別注視区域」として指定され、区域内の土地・建物の利用状況の調査や、機能を阻害する行為への勧告・命令ができる仕組みが設けられています。特別注視区域内で一定面積以上の土地等を売買する場合は、国籍を問わず事前の届出が必要です。なお、この法律も取得そのものを禁止するものではなく、安全保障上重要な区域における利用状況の監視・規制を目的とした制度である点に留意が必要です。

関連する規制②外国為替及び外国貿易法(外為法)

外国為替及び外国貿易法(外為法)では、安全保障上重要な業種を営む企業への対内直接投資について、外国投資家に事前届出を求める制度がありますが、これは企業への出資に関する規制であり、個人による不動産の直接取得を制限するものではありません

国籍情報の把握体制強化の動き

不動産取得そのものを制限するものではないものの、取得実態を把握するための制度整備が進んでいます。例えば、森林法に基づく森林土地取得届出制度では、一定面積(1万平方メートル)以上の山林を取得した場合、届出事項の一つとして取得者の国籍を自治体に届け出ることとされています。また、登記制度においても、所有者情報の把握を充実させるための制度整備が進められています

今後の法改正の動向

外国人による土地取得のあり方については、安全保障や土地利用の観点から、国会や有識者の間で規制強化を求める議論が続いています。一方で、現時点では外国人による土地取得そのものを包括的に制限する法制度は導入されておらず、今後の議論の行方を注視する必要があります

税理士からのアドバイス

外国人・外国法人が買主または売主となる不動産取引では、通常の取引と税務上の取り扱いが大きく変わるわけではありませんが、登記時の国籍情報の提供や、対象区域内の土地等であれば事前届出が必要になるなど、手続き面での確認事項が増える可能性があります。取引前には、対象不動産が重要土地等調査法上の規制区域に該当するかどうかも含めて確認しておくことをお勧めします。

まとめ

現行制度上、外国人・外国法人による不動産取得そのものを禁止する法律はありませんが、重要土地等調査法による区域指定や、森林土地取得届出制度・登記制度における所有者情報の把握強化など、取得実態を可視化するための制度整備が進んでいます。安全保障の観点からの規制強化を求める議論も続いていますが、現時点で包括的な制限は導入されていません。今後の議論の行方を踏まえながら、取引を進めることが重要です。

実際にシミュレーションしてみよう

物件価格・ローン・家賃を入力して、35年分の収支を無料で試算できます。

シミュレーターを使う →