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相続登記の義務化がスタート!知らないと罰則も?期限・手続き・注意点を解説

2026-06-06

税金・節税

相続登記の義務化がスタート!知らないと罰則も?期限・手続き・注意点を解説

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。登記をしないまま放置すると10万円以下の過料が科される可能性があります。義務化の背景・期限・手続き・過去の相続への遡及適用まで、税理士がわかりやすく解説します。

「親が亡くなったが、不動産の名義変更(相続登記)をずっとしていない」という方は少なくありません。これまで相続登記に期限や罰則はありませんでしたが、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が法律上の義務となりました。知らないまま放置していると、将来的に過料が課される可能性があります。本記事では義務化の背景・内容・手続きの流れを解説します。

相続登記義務化の背景

所有者不明土地問題

なぜ相続登記が義務化されたのでしょうか。最大の背景は「所有者不明土地」の深刻化です。相続が発生しても登記がされないまま世代をまたいで放置され続けた結果、全国で所有者を特定できない土地が大量に発生しました。国土交通省の調査では、所有者不明土地の面積は全国で約410万ヘクタールに及び、これは九州の総面積を上回る規模です。 所有者不明土地は、公共事業の妨げになるだけでなく、空き地・廃屋の増加や隣地への悪影響など、地域社会にとっても深刻な問題です。

外国人による不動産取得と安全保障上の懸念

近年、外国人・外国資本による日本の不動産取得が加速しています。円安を背景に割安感が増したことに加え、リゾート地や農地、自衛隊基地・原子力施設等の周辺土地が外国人に取得されるケースが問題視されるようになりました。登記がなされていない土地は実質的な所有者の把握が困難であるため、国として「誰が何を持っているか」を正確に把握することが安全保障上も急務となっています。こうした観点からも、相続登記の義務化は重要な意味を持ちます。

相続登記義務化の内容

義務の概要と期限

不動産(土地・建物)を相続または遺贈で取得した相続人は、相続を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。 ・対象:土地・建物すべての不動産 ・期限:相続(遺贈)により所有権を取得したことを知った日から3年以内 ・義務を負う人:不動産を取得した相続人

過去の相続にも遡及適用

重要なのは、2024年4月1日より前に発生した相続にも遡及して適用される点です。すでに相続が発生しているにもかかわらず登記をしていない場合、施行日(2024年4月1日)から3年以内、すなわち2027年3月31日までに登記を行う必要があります。 「昔に親が亡くなったが登記していない」「祖父母の名義のままになっている」といったケースでも、期限内に対応が必要です。

罰則(過料)

正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。過料は刑事罰ではありませんが、裁判所から通知が来る行政上のペナルティです。「知らなかった」では済まないため、早めの対応が重要です。

よくある誤解:「通知が来るまで待てばいい?」

「登記が漏れていたら国から手紙が届くのでは?」と思われがちですが、原則として国から個別の案内が届くことはありません。法務局側も調査をしない限り相続人を把握できないからです。 「通知が来ない=セーフ」ではないため、手紙を待たずに自主的に不動産の名義を確認することが必要です。実家や祖父母の代から登記がされていないケースは意外と多く、まずは登記事項証明書(登記簿謄本)で現在の名義人を確認することをお勧めします。

相続人申告登記制度(簡易な義務履行方法)

相続人が多数いて遺産分割協議がまとまらない場合など、すぐに正式な相続登記ができないケースもあります。そのような場合のために、「相続人申告登記」という制度が設けられました。 相続人申告登記とは、「自分がこの不動産の相続人である」と法務局に申し出ることで、正式な登記申請義務を一時的に果たしたものとみなす簡易な手続きです。 ・費用:登録免許税なし(無料) ・手続き:法務局への申し出のみ ・注意:相続人申告登記はあくまでも義務履行のための暫定的な措置であり、所有権移転の効力は生じません。最終的には正式な相続登記が必要です。

相続登記の手続きの流れ

必要書類の収集

相続登記には以下の書類が必要です。 ・被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本等 ・相続人全員の戸籍謄本 ・遺産分割協議書(相続人間で協議した場合)・相続人全員の印鑑証明書 ・不動産の登記事項証明書(法務局またはオンラインで取得) ・固定資産税評価証明書(登録免許税の計算に使用)

登録免許税の計算

相続登記の申請には登録免許税がかかります。税率は固定資産税評価額 × 0.4%です。 例:固定資産税評価額2,000万円の不動産 → 2,000万円 × 0.4% = 8万円 なお、相続人申告登記(義務履行のみ目的)の場合は登録免許税はかかりません。

申請先

法務局(登記所)に申請します。申請方法は窓口・郵送・オンライン申請の3通りあります。専門家(司法書士)に依頼することも可能で、書類収集から申請まで代行してもらえます。

相続土地国庫帰属制度

相続で取得した土地を「管理が大変」「売れない」「使い道がない」という理由で手放したい場合、一定の要件を満たすと国に土地を引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」(2023年4月施行)を利用できます。 ただし、建物が建っている土地・境界が不明な土地・汚染されている土地などは対象外です。また、申請には審査費用と10年分の管理費相当額の負担金が必要です。土地の活用が見込めない場合の選択肢の一つとして検討できます。

税理士からのアドバイス

相続登記は司法書士の業務ですが、相続税申告と密接に関わるため、税理士も関わる場面が多くあります。特に以下の点はご注意ください。 ・相続税の申告期限(相続を知った日から10ヶ月以内)と相続登記の期限(3年以内)は異なります。相続税申告が先になる場合がほとんどです。 ・小規模宅地等の特例など相続税の優遇措置を適用するには、遺産分割が確定していることが要件となるものもあります。 ・遺産分割協議がまとまらないまま申告期限を迎えた場合は「未分割申告」となり、特例が使えないケースがあります。 不動産を含む相続が発生した場合は、相続登記(司法書士)と相続税申告(税理士)の両方に早めに相談することをお勧めします。

まとめ

2024年4月から相続登記が義務化され、期限内に登記しない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。過去の未登記相続も2027年3月31日が期限です。 手続きが難しい・遺産分割がまとまらないという場合でも、相続人申告登記という簡易な義務履行方法があります。まずは現在の名義を確認し、未登記の不動産があれば早めに専門家(司法書士・税理士)に相談することをお勧めします。

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