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低未利用土地の譲渡100万円控除とは?空き家・空き地売却の要件を税理士が解説

2026-06-16

売却・出口戦略

低未利用土地の譲渡100万円控除とは?空き家・空き地売却の要件を税理士が解説

空き家・空き地の有効活用を後押しする「低未利用土地等の100万円特別控除」が令和2年7月1日に施行され、現在は令和10年12月31日まで期限が延長されています。適用要件や注意点、他の特例との重複適用の可否について税理士が解説します。

空き家や空き地(低未利用土地)の増加が社会問題となる中、これらの有効活用・売却を後押しするため、「低未利用土地等を譲渡した場合の100万円特別控除」(租税特別措置法第35条の3)が令和2年7月1日に施行されました。現在、令和10年12月31日まで適用期限が延長されており、空き家・空き地の売却を検討している方にとって見逃せない特例です。本記事では、この特例の詳しい要件と注意点を税理士が解説します。

低未利用土地等の100万円特別控除とは

一定の要件を満たす低未利用土地等(空き家・空き地など)を売却した場合、長期譲渡所得の計算において譲渡所得から100万円を控除できる特例です。 長期譲渡所得に対する税率は所得税・住民税合計で約20%のため、100万円の控除で最大約20万円の節税効果があります。なお、この控除は他の取得費・譲渡費用の控除後の譲渡所得から差し引くものです。

特例の主な適用要件

①対象となる土地(低未利用土地等)

都市計画区域内にある土地(または土地と建物等の一体)で、「低未利用土地」に該当するものが対象です。低未利用土地とは、利用されていないまたは周辺地域の土地利用の状況と比較して著しく利用の程度が低い土地を指します。長期間放置されている空き地や、空き家が建ったまま活用されていない土地などが典型的な例です。なお、都市計画区域外の土地は対象外となります。

②保有期間:5年超(長期)

譲渡した年の1月1日時点で、その土地の保有期間が5年を超えていることが必要です。取得してから5年以内の短期譲渡には適用されません。

③譲渡価格:500万円以下(一定区域は800万円以下)

土地(建物等を含む場合はその合計額)の譲渡価格が500万円以下であることが要件です。建物付きの場合は土地・建物の譲渡対価の合計額で判定します。価値の高い土地ではなく、放置されがちな安価な土地の流通促進を狙った制度設計です。 なお、令和5年度の税制改正により、民間まちなか投資促進のための特定地区計画等の区域内など一定の区域については、譲渡価格の上限が800万円に引き上げられました。

④譲渡後に適正に利用されること

譲渡後に買主が低未利用土地等でない状態で土地を利用すること(住宅建設・農地としての活用・店舗として使用など)が要件です。売却後も放置され続けるような取引は対象外となります。

⑤市区町村の確認書が必要

売却する土地が所在する市区町村から「低未利用土地等確認書」の交付を受けることが必要です。確認書は、その土地が低未利用土地等に該当し、かつ譲渡後に適正利用が見込まれることを市区町村が確認したものです。確定申告の際にこの確認書を添付します。

注意点・よくある誤解

同一年で複数売却しても控除は合計100万円まで

100万円の特別控除は、同一年中に複数の低未利用土地等を売却した場合でも、控除額は合計100万円が上限です。複数回の売却をまとめて申告しても、一人につき年間100万円が上限となります。

配偶者・親族等への譲渡は対象外

配偶者や一定の親族、関係法人等への譲渡にはこの特例は適用されません。身内への名義移転を目的とした売却は対象外です。

他の特例との関係

この特例は、マイホームの売却に使える3,000万円特別控除(措法35条)や相続財産の取得費加算の特例(措法39条)など、譲渡所得の計算上、一定の特例とは選択適用となるケースがあります。売却する不動産の状況(居住用かどうか、相続で取得したかどうかなど)に応じて、どの特例が有利かを比較検討する必要があります。

申告手続きの流れ

市区町村に申請して「低未利用土地等確認書」を取得(売却前後、自治体により時期が異なる場合があります) ②土地を売却し、売買契約書等を保管 ③翌年の確定申告で「低未利用土地等確認書」を添付して特例の適用を申告

税理士からのアドバイス

この特例は500万円以下という価格制限があるため、価値のある土地には適用できませんが、長期間活用できていない郊外の空き地や小規模な空き家付き土地の売却には有効な特例です。 一方で、市区町村への確認書申請手続きや他の特例との選択など、手続き面・判断面で迷うケースもあります。売却を検討している場合は、早めに税理士にご相談ください。

まとめ

低未利用土地等の100万円特別控除は、令和10年12月31日まで延長された期間限定の特例です。都市計画区域内の空き家・空き地を売却する際に、保有5年超・譲渡価格500万円以下(一定区域は800万円以下)などの要件を満たせば活用できます。市区町村の確認書取得や確定申告が必要なため、売却を検討する際は事前に手続きを確認し、他の特例との比較も含めて専門家に相談することをお勧めします。

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