
2026-06-18
税金・節税マイホームの税金・諸費用|購入・売却・相続の注意点を税理士が解説
金利上昇・住宅価格高騰・物価高騰が続く中、マイホームにかかるコストはできるだけ抑えたいものです。購入時・保有中・売却時・相続時それぞれの場面で発生する税金・諸費用・ローンコストについて税理士が解説します。
金利上昇、住宅価格の高騰、物価高騰など、あらゆるコストが上昇している中、マイホームにかかる負担はできるだけ抑えたいものです。マイホームには、購入時だけでなく、保有中・売却時・相続時それぞれの場面で税金や諸費用が発生します。本記事では、マイホームのライフサイクル全体でかかる税金・諸費用・ローンコストについて税理士が解説します。
マイホームの「購入時」にかかる税金・諸費用
マイホームを購入する際には、物件価格に加えて以下のような税金・諸費用が発生します。 ・不動産取得税:取得後に一度だけ課税される税金(住宅は軽減措置あり) ・登録免許税:所有権移転・抵当権設定の登記にかかる税金 ・印紙税:売買契約書・ローン契約書に課税 ・仲介手数料:物件価格の3%+6万円(+消費税)が上限の目安 ・ローン事務手数料・火災保険料など これらの諸費用は、物件価格の6〜10%程度になることが多く、購入時には物件価格以外にまとまった資金が必要になる点に注意が必要です。
マイホームを「保有」している間にかかる税金
固定資産税・都市計画税
土地・建物を所有している限り、毎年固定資産税・都市計画税が課税されます。新築一戸建てを購入した場合、最初の3年間(長期優良住宅なら5年間)は建物の固定資産税が「半分」になる軽減措置があります。この軽減期間が終わると税額が上がったように感じることもありますが、軽減後の税額が本来の税額である点を理解しておきましょう。
住宅ローン控除
入居した翌年からは、「住宅ローン控除」を利用することで、年末のローン残高に応じた所得税・住民税の還付を受けられる可能性があります。控除を受けるための要件(床面積、所得制限、住宅の性能等)を事前に確認しておくことが重要です。
マイホームを「売却」する際にかかる税金
マイホームを売却した利益(譲渡所得)には、他の所得とは別に申告分離課税が適用されます。保有期間が5年以下なら短期譲渡所得(税率39.63%)、5年を超えると長期譲渡所得(税率20.315%)となり、税率が大きく異なります。 ただし、マイホームの売却には「3,000万円特別控除」という特例があり、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。多くのマイホーム売却ではこの特例によって譲渡所得税がかからないケースもありますが、転居後3年を経過する日がある年の12月31日までに売却するなどの期限があるため、注意が必要です。 また、売買契約書にも印紙税がかかります。5,500万円の売買契約書であれば、本則(原則)は6万円ですが、現在は軽減措置が適用されるため、実際の負担は3万円となります。
マイホームを「相続」する際の注意点
マイホームを所有したまま亡くなった場合、相続税の計算では「小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)」が適用できると、330㎡までの部分について評価額が80%減額されます。同居していた親族が引き続き住み続けるなど、一定の要件を満たす必要があります。 また、相続した空き家を売却する場合は、「空き家の3,000万円特別控除」が使えるケースもあります。 相続人が複数いる場合、マイホームは分割しにくい資産であるため、共有名義での相続はトラブルの原因になりやすい点にも注意が必要です。
金利上昇・物価高騰時代に押さえておきたいポイント
近年の金利上昇により、変動金利で住宅ローンを組んでいる方は将来の返済額増加リスクを踏まえた資金計画が重要になっています。固定金利への切り替えや返済計画の見直しを検討する際は、目先の金利だけでなく総返済額で比較することが大切です。 また、住宅ローン控除や各種軽減措置は申告・申請をしなければ適用されないものが多いため、利用できる制度を漏れなく確認しておくことが、実質的なコスト削減につながります。
税理士からのアドバイス
マイホームにかかる税金・諸費用は、購入時だけでなく保有中・売却時・相続時それぞれで発生し、トータルで見ると大きな金額になります。物価高騰の時代だからこそ、適用できる控除や特例を漏れなく活用し、ライフサイクル全体でのコストを把握しておくことが重要です。気になる点があれば、早めに税理士にご相談ください。
まとめ
マイホームには、購入時の諸費用・税金、保有中の固定資産税・住宅ローン控除、売却時の譲渡所得税・3,000万円特別控除、相続時の小規模宅地等の特例など、各場面で押さえておくべき税金・制度が数多くあります。金利上昇・物価高騰が続く中、これらを正しく理解し、活用できる控除を漏れなく使うことが、マイホームの実質的なコストを抑える近道です。


