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不動産の固定資産税はどうやって決まっている?

2026-05-24

税金・節税

不動産の固定資産税はどうやって決まっている?

土地や建物を所有していると毎年必ず課税される固定資産税。その金額がどのような基準で決まっているのか、また節税につながる特例や実務上の注意点について税理士が解説します。

不動産を所有していると、毎年「固定資産税・都市計画税」の納税通知書が届きます。支払っているものの「どうやって計算されているのかよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。固定資産税の仕組みを正しく理解することは、不動産の保有コストを把握するうえでも、節税を検討するうえでも重要です。本記事では、固定資産税の決まり方と実務上の注意点を解説します。

■ 固定資産税の基本:誰が・いつ・どこへ納めるか 固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して、その不動産が所在する市区町村が課税します(東京23区は東京都)。土地・建物のどちらにも課税され、標準税率は1.4%です。課税される金額は「固定資産税評価額(課税標準額)× 税率1.4%」で計算されます。納付は通常、4月・7月・12月・翌年2月の年4回に分けて行います(一括納付も可能)。

■ 固定資産税評価額はどうやって決まるか 固定資産税の金額を左右するのが「固定資産税評価額」です。この評価額は市区町村が独自に算定するもので、3年ごとに見直し(評価替え)が行われます(直近の基準年度は令和6年度)。 【土地の評価】 土地は地価公示価格の約70%を目安として評価されます。路線価(道路に面した標準的な土地の価格)や標準地の価格をもとに、形状・面積・利用状況などを加味して個別に算定されます。 【建物の評価】 建物は「再建築価格」をベースに、経年劣化による減価(経年減点補正率)を乗じて算出します。再建築価格とは、評価時点で同じ建物を新たに建てた場合にかかる費用のことです。建物は年々評価額が下がりますが、一定の下限(再建築価格の20%)があり、それ以下にはなりません。

■ 住宅用地の特例:大きな節税効果があります 自宅や賃貸住宅の敷地として使用している土地には、「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税の課税標準額が大幅に軽減されます。 ①小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額が評価額の1/6に軽減 ②一般住宅用地(200㎡超の部分):課税標準額が評価額の1/3に軽減 たとえば固定資産税評価額3,000万円の200㎡以下の土地であれば、課税標準額は500万円(3,000万円×1/6)となり、固定資産税は500万円×1.4%=7万円となります。特例がなければ3,000万円×1.4%=42万円となるところですから、いかに大きな軽減効果があるかがわかります。

■ 新築住宅の軽減措置 新築住宅の建物部分には、一定期間固定資産税が半額になる軽減措置があります。 ①一般の新築住宅:新築後3年間、建物分の固定資産税が1/2 ②3階建以上のマンション等(中高層耐火建築物):新築後5年間、建物分の固定資産税が1/2 ③長期優良住宅:一般住宅は5年間、マンション等は7年間、建物分の固定資産税が1/2 なお、この軽減措置の対象となる床面積には上限があり、居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下であることが要件です。

■ 都市計画税にも注意 市街化区域内の土地・建物には、固定資産税に加えて都市計画税(税率最大0.3%)も課税されます。都市計画税にも住宅用地の特例があり、小規模住宅用地は課税標準額が1/3、一般住宅用地は2/3に軽減されます。固定資産税と都市計画税はセットで納税通知書に記載されています。

■ 実務上の注意点 ①評価額に誤りがある場合は審査申出ができる:固定資産税評価額に疑問がある場合、評価替えの年度(基準年度)の納税通知書を受け取った日から3か月以内に審査申出を行うことができます。評価が適正かどうかを確認するためにも、3年に一度届く評価替えのタイミングには通知書をよく確認することをお勧めします。 ②相続した際は速やかに名義変更を:1月1日時点の登記上の所有者に課税されます。相続によって不動産を取得した場合、名義変更(相続登記)を行わないと旧所有者(被相続人)名義のまま課税が続くことになり、実態と課税関係がずれる原因になります。令和6年4月から相続登記が義務化されたことも踏まえ、早めの手続きが必要です。 ③空き家は「特定空き家」等に指定され勧告を受けると特例が外れる:管理不全の空き家が市区町村から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定され、市区町村から改善の「勧告」を受けると住宅用地の特例(1/6・1/3軽減)が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。空き家を保有している場合は適切な管理・早期の活用または処分を検討することが重要です。 ④不動産売却時の固定資産税精算:年の途中で不動産を売却する場合、売主・買主の間で固定資産税を日割り計算で精算する慣行があります(法律上の義務ではありませんが、通常は売買契約時に取り決めます)。精算額は売却代金の一部として扱われるため、譲渡所得の計算にも影響します。

■ まとめ 固定資産税は「評価額×税率1.4%」が基本ですが、住宅用地の特例・新築住宅の軽減措置・都市計画税の軽減など、適用できる特例を正しく把握することで保有コストを大きく抑えられます。また、評価替えのタイミングでの確認・相続登記・空き家管理など、固定資産税にまつわる実務上の注意点は意外と多岐にわたります。不動産を保有している方は毎年の納税通知書を受け取った際に内容をしっかり確認し、疑問があれば税理士や市区町村の窓口に相談することをお勧めします。

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