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不動産購入時に残しておくべき書類とは?将来の売却・税務調査に備えて税理士が解説

2026-06-10

税金・節税

不動産購入時に残しておくべき書類とは?将来の売却・税務調査に備えて税理士が解説

不動産を購入した際には売買契約書や司法書士への報酬領収書など、多くの書類が手元に残ります。初めて不動産を購入した方は「どれを残せばいいのか」迷うことも多いはず。将来の売却・税務調査に備えて保管すべき書類と理由を税理士が解説します。

不動産を初めて購入すると、売買契約書・重要事項説明書・各種領収書など、多くの書類を受け取ります。引越しの慌ただしさの中でどれを残すべきかわからず、気づかぬうちに処分してしまっている方もいるかもしれません。しかし、購入時の書類は何十年も先に「売却するとき」や「税務調査のとき」に突然必要になることがあります。後悔しないために、今のうちに整理・保管しておきましょう。

なぜ不動産購入時の書類を保管しておく必要があるのか

売却時に「取得費」の証明が不可欠

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所得税・住民税が課税されます。税額は「売却価格 − 取得費 − 譲渡費用」で計算されるため、取得費が大きいほど税負担が小さくなります。 取得費は「購入代金+購入時にかかった費用(仲介手数料・登記費用・不動産取得税など)」の合計です。これを証明するためには購入当時の書類が不可欠です。 書類がない場合、取得費として使えるのは「売却価格の5%(概算取得費)」のみとなり、取得費が実際より大幅に低く計算され、税負担が大きくなる可能性があります。

税務調査のリスク

不動産の売却は金額が大きく、税務署も注目しやすい取引です。確定申告後に税務調査が入り、取得費の根拠となる書類の提示を求められることがあります。書類がなければ申告内容を証明できず、追徴課税につながるリスクがあります。

必ず残しておくべき書類(最重要)

売買契約書

最も重要な書類です。購入価格・売買日・物件の詳細が記載されており、取得費の証明の中心となります。土地と建物の価格が按分して記載されている場合は、その金額が減価償却計算の基礎にもなります。 紛失した場合は、相手方(売主や不動産業者)に控えが残っていることもありますが、数十年後では難しいケースも多く、「絶対に紛失しない場所」に保管する最優先書類です。

重要事項説明書

売買契約書とセットで保管してください。物件の詳細・権利関係・各種規制などが記載されており、将来的に物件情報を確認する際にも役立ちます。

購入代金の支払証明(通帳の振込記録・領収書)

売買代金の支払いを証明する記録です。銀行の通帳や振込明細書はそのまま保存しておくか、コピーを保管しておきましょう。特に頭金を現金で支払った場合は領収書が重要です。

取得費に算入できる費用の証明書類

購入代金だけでなく、以下の費用も取得費に含めることができます。それぞれに対応する書類を残しておきましょう。

仲介手数料の領収書

不動産会社に支払った仲介手数料は取得費に算入できます。領収書を必ず保管してください。

司法書士報酬の請求書・領収書

所有権移転登記・抵当権設定登記にかかった司法書士への報酬は取得費に含めることができます。ただし、内容によっては取得費に含められない費用(住所変更登記の費用など)が含まれている場合もあるため、請求書の内訳まで保管しておくことが重要です。

不動産取得税の納税通知書・領収書

取得後数ヶ月〜1年半程度で届く不動産取得税の納税通知書と領収書(振替済み通知書)も取得費に算入できます。到着したら捨てずにファイリングしておきましょう。

登録免許税の領収書

登記申請時に支払った登録免許税の領収書または司法書士の請求書内訳も保管してください。

印紙税

売買契約書に貼付した収入印紙の代金は取得費に含めることができます。契約書に貼付・消印されているため、売買契約書自体がその証明になります。

住宅ローン利息(使用開始前の期間分)

建物取得のために要した期間の利息など一定の場合は、住宅ローンの利息(建物部分に対応するもの)を取得費に算入できます。ローンの返済予定表(返済スケジュール)と取得・使用開始の日付がわかる書類を保管しておきましょう。

減価償却・按分計算に必要な書類

固定資産税評価証明書・課税明細書

土地と建物の価格が売買契約書に記載されていない場合、固定資産税評価額の比率で按分するのが一般的です。購入年度の固定資産税評価証明書があると按分の根拠として使えます。毎年届く固定資産税の課税明細書(納税通知書に添付されているもの)も一緒に保管しておくと安心です。

リフォーム・増改築の見積書・領収書

購入後に行ったリフォームや増改築が「資本的支出」にあたる場合、その費用も取得費に加算できます。工事の見積書・請負契約書・領収書は年度ごとにまとめて保管しておきましょう。

書類を紛失してしまった場合の対処法

「すでに売買契約書を処分してしまった」という場合でも、いくつかの方法で取得費を補完・立証できる可能性があります。 ・不動産業者・売主への問い合わせ:仲介した不動産業者や売主側に契約書の控えが残っているケースがあります ・銀行のローン記録:住宅ローンの借入時の資料に購入価格が記録されている場合があります ・登記簿謄本(登記事項証明書):取得年月日の確認に使えます ・通帳の振込記録:購入代金の支払いを示す記録として参考資料になります これらを組み合わせても取得費の実額証明が難しい場合は、「概算取得費(売却価格の5%)」を使うことになります。取得費が実際に5%を下回るケースはまれであり、多くの場合は実額の方が有利です。書類の保管が最大の節税策といえます。

書類はデジタルでも保管しておこう

紙の書類は劣化・紛失のリスクがあります。スキャンしてPDFで保存し、クラウドストレージ(GoogleドライブやDropboxなど)にバックアップしておくと安心です。 特に売買契約書・重要事項説明書・各種領収書は高解像度でスキャンして保存し、紙の原本とあわせて2重管理することをお勧めします。税務調査の現場では原本の提示を求められることもあるため、紙の原本も必ず保管してください。

まとめ:保管すべき書類チェックリスト

不動産購入時に残しておくべき書類をまとめます。 【最重要・絶対に保管】 ・売買契約書 ・重要事項説明書 ・購入代金の支払証明(通帳コピー・領収書) 【取得費の証明に必要】 ・仲介手数料の領収書 ・司法書士報酬の請求書・領収書 ・不動産取得税の納税通知書・領収書 ・登録免許税の領収書 【あわせて保管しておくと安心】 ・固定資産税の課税明細書(毎年) ・リフォーム・増改築の見積書・契約書・領収書 ・住宅ローンの返済予定表・年末残高証明書 不動産の売却はいつ行うか予測できません。「今は使わないから」と捨ててしまうのが最も危険です。購入時の書類は一式まとめて「不動産関係書類」としてファイリングし、大切に保管しておきましょう。書類の整理や売却時の税務申告についてはお気軽に税理士にご相談ください。

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