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不動産節税、その節税効果はどれくらい?

2026-05-17

税金・節税

不動産節税、その節税効果はどれくらい?

税理士としての実務経験をもとに、サラリーマンが副業で不動産投資をした場合の節税効果を解説します。減価償却による赤字計上の仕組みから実際の効果・期間・有利なパターン・注意点まで、正確な知識を身につけましょう。

税理士として多くのサラリーマン投資家の確定申告を手がけてきた経験から、不動産投資の節税効果についてよくある誤解と実態をお伝えします。「不動産を買えば節税できる」という話は広く知られていますが、その効果の大きさ・期間・仕組みを正確に理解している方は意外と少ないのが現状です。

■ なぜ不動産投資で節税できるのか サラリーマンが不動産投資で節税できる主な理由は「減価償却費」にあります。この減価償却費は実際の現金支出を伴わない「帳簿上の経費」であるため、キャッシュは出ていないのに帳簿上は赤字になるという状態をつくり出せます。この赤字(不動産所得の損失)を給与所得と合算することで課税所得が下がり、所得税・住民税が減る——これが不動産節税の基本的な仕組みです。

■ 実際の節税効果はどれくらいか 節税効果は「不動産所得の赤字額 × 適用される限界税率(所得税+住民税)」で計算できます。たとえば年収1,000万円のサラリーマンの場合、限界税率は所得税33%+住民税10%=43%程度です。不動産所得で200万円の赤字が出た場合の節税効果は、200万円 × 43% = 約86万円となります。一方、年収500万円の場合は限界税率が約30%のため、同じ200万円の赤字でも節税効果は60万円にとどまります。収入が高いほど節税メリットが大きくなる構造です。

■ 節税効果が続く期間 減価償却費を計上できる期間は建物の構造によって異なります。木造は法定耐用年数22年、鉄筋コンクリート造(RC)は47年が基準です。注目すべきは「法定耐用年数を超えた築古物件」で、この場合の償却期間は「法定耐用年数 × 20%(最低2年)」と非常に短くなります。たとえば築30年超の木造物件なら、残存耐用年数はわずか2〜4年となり、短期間に多額の減価償却費を集中計上できます。節税効果は高いものの、期間が短い点を理解したうえで活用する必要があります。

■ 節税に有利なパターン ①高所得者(課税所得が900万円超):限界税率が高いほど節税効果が大きくなります。②築古木造物件の取得:短期間で大きな減価償却費を計上でき、節税効果を集中させられます。③土地比率が低い物件:減価償却の対象は建物のみのため、建物価格が高い物件ほど経費計上できる金額が大きくなります。④青色申告の活用:確定申告を青色申告で行うと、不動産所得から10万円(事業的規模の場合は最大65万円)の特別控除を受けられます。

■ 見落としがちな注意点 実務でよく目にする誤解や落とし穴を4つ挙げます。 【注意1:節税は「税の繰り延べ」である】 減価償却によって生じた赤字は課税の先送りに過ぎません。売却時には建物の帳簿価額が下がっている分だけ譲渡益が大きくなり、譲渡所得税が課税されます。保有5年超の長期譲渡なら税率20.315%、5年以内の短期譲渡は約39.63%と高率になるため、出口(売却)まで含めたトータルで節税効果を試算することが不可欠です。 【注意2:土地に係るローン利息は損益通算の対象外】 土地取得に対応する部分の利息は、不動産所得が赤字の場合に給与所得との損益通算に使えません(土地負債利子の規定)。 【注意3:節税目的だけで収益性の低い物件を買わない】 節税効果が高くても、キャッシュフローがマイナスで毎月持ち出しが続く物件は長期的には資産を削ります【注意4:減価償却終了後の収支変化を見落とさない】 減価償却が終わると経費が大幅に減るため、それまで赤字だった不動産所得が黒字に転じ、所得税が増加します。

不動産節税は、仕組みを正しく理解して活用すれば高所得者にとって有効な手段です。しかし「節税できる」という一点だけで購入を決めると、出口での課税・毎月のキャッシュ持ち出し・空室リスクが重なって結果的に損をするケースも少なくありません。購入前に税引き後のキャッシュフロー・売却時の譲渡税・トータルリターンを必ずシミュレーションし、税理士など専門家にも相談したうえで慎重に判断することをお勧めします。

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