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不動産の譲渡所得とは?短期・長期の違いと計算方法を税理士が解説

2026-06-17

売却・出口戦略

不動産の譲渡所得とは?短期・長期の違いと計算方法を税理士が解説

不動産(土地・建物など)を売却した際の譲渡所得は「分離課税」として扱われ、保有期間が5年以下か5年超かで税率が大きく変わります。計算方法と短期・長期の判定基準、注意点を税理士が解説します。

不動産(土地・建物など)を売却した際に生じる利益は「譲渡所得」として課税されますが、不動産の譲渡所得は「総合譲渡」ではなく「分離課税(申告分離課税)」として扱われます。総合譲渡は、ゴルフ会員権や金などの資産を譲渡した場合の所得を指すもので、不動産はこれとは別の独立した課税方式が適用されます。本記事では、不動産の譲渡所得の計算方法と、保有期間によって税率が変わる「短期」「長期」の区分、注意点について税理士が解説します。

不動産の譲渡所得は「分離課税」

不動産を売却して得た利益(譲渡所得)は、給与所得や事業所得などの他の所得とは合算せず、単独で税額を計算する「申告分離課税」が適用されます。 譲渡所得には「総合課税」となるものと「申告分離課税」となるものがあります。ゴルフ会員権・金・機械など、土地・建物・株式等以外の資産を譲渡した場合の所得は総合課税(総合譲渡)の対象となりますが、不動産の譲渡所得はこれとは異なり、必ず申告分離課税の対象になる点を押さえておきましょう。

譲渡所得の計算方法

不動産の譲渡所得は、以下の式で計算します。 譲渡所得 = 譲渡価格 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除取得費:購入価格、購入時の仲介手数料・登記費用・印紙税など(建物部分は減価償却後の金額) ・譲渡費用:売却時の仲介手数料、売買契約書の印紙税、測量費など ・特別控除:マイホームを売却した場合の3,000万円特別控除など、一定の要件を満たす場合に適用できる控除

取得費がわからない場合の取得費の概算

先祖代々の土地など、購入時の資料が残っておらず取得費が不明な場合は、譲渡価格の5%を取得費とみなす「概算取得費」を使うことができます。ただし、実際の取得費の方が高い場合は実額を使うほうが有利になるケースが多いため、購入時の契約書等は必ず保管しておきましょう。

短期譲渡と長期譲渡の違い

不動産の譲渡所得は、所有期間に応じて「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に区分され、税率が大きく異なります

所有期間の判定方法

短期・長期の判定は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間で行います。 ・短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下 ・長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える 「購入してから5年経過したかどうか」ではなく、「譲渡した年の1月1日」を基準に判定する点に注意が必要です。

税率の違い

短期譲渡所得と長期譲渡所得では、税率が約2倍異なります。 ・短期譲渡所得の税率:39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%) ・長期譲渡所得の税率:20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%) このため、売却のタイミングを5年超まで待つだけで、税負担が大きく変わることがあります。売却を急いでいない場合は、所有期間が5年を超えるタイミングを確認しておくことが重要です。

相続・贈与で取得した不動産の所有期間

相続や贈与で取得した不動産を売却する場合、所有期間は「自分が取得した日」からではなく、「亡くなった方・贈与した方が取得した日」から引き継いで計算します。同様に、取得費も前の所有者の取得費を引き継ぎます。 このため、親が長年所有していた不動産を相続後すぐに売却しても、長期譲渡所得として扱われるケースが多い点も押さえておきましょう。

注意点

特別控除との関係

マイホーム(居住用財産)を売却した場合の3,000万円特別控除など、一定の特別控除は短期・長期どちらの譲渡所得からも適用可能ですが、控除の種類によって要件が異なるため、事前に確認が必要です。

損益通算はできない

不動産の譲渡所得が赤字(譲渡損失)になった場合、原則として他の所得(給与所得や事業所得など)と損益通算することはできません。マイホームの買換え等の場合に限り、一定の要件のもとで損益通算・繰越控除が認められる特例があります。

税理士からのアドバイス

不動産の譲渡所得は、取得費の算定や所有期間の判定、特別控除の適用可否など、計算のポイントが多く誤りやすい分野です。特に取得費が不明な場合や、相続・贈与で取得した不動産を売却する場合は、計算方法を誤ると納税額に大きな差が生じることもあります。売却を検討する際は、早めに税理士に相談し、正確な税額を把握しておくことをお勧めします。

まとめ

不動産の譲渡所得は、給与所得などとは別に計算する「分離課税」が適用され、保有期間が5年以下か5年超かによって税率が大きく異なります(短期39.63%、長期20.315%)。取得費の算定方法や、相続・贈与で取得した場合の所有期間の引き継ぎなど、押さえておくべきポイントが多いため、売却前に税理士へ相談することをお勧めします。

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