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空き家問題と税金の最新動向|特例措置から「空き家税」導入の動きまで税理士が解説

2026-06-07

税金・節税

空き家問題と税金の最新動向|特例措置から「空き家税」導入の動きまで税理士が解説

全国的に空き家問題への関心が高まっており、税制面でも空き家の解消・活用を後押しする特例措置が整備されています。一方で、長期間放置された空き家には「空き家税」を導入する動きも出てきました。空き家をめぐる税金の最新動向を税理士が解説します。

実家が空き家のまま何年も放置されている、相続したものの活用方法が決まらない――そんな悩みを抱える方が増えています。日本全国で空き家は増加を続けており、国や自治体は税制を通じて「空き家を減らす・活用する」方向への誘導を強めています。一方で、放置され続ける空き家に対しては、新たに「空き家税」を導入しようとする自治体も出てきました。本記事では、空き家をめぐる税制の現状と今後の動きを整理します。

空き家が社会問題となっている背景

総務省の調査によれば、全国の空き家数は年々増加しており、総住宅数の1割超が空き家になっているとされています。少子高齢化や人口減少、相続した実家を活用できないまま放置されるケースの増加が主な要因です。 空き家を放置すると、倒壊のリスク・景観の悪化・防犯面の不安・近隣トラブルなど、地域社会にさまざまな悪影響を及ぼします。こうした背景から、国・自治体は空き家の発生を抑制し、活用や除却を促すための税制上の取り組みを進めています。

空き家の解消・活用を後押しする税制上の特例

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除(空き家の3,000万円特例)

相続した空き家を売却した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。実家を相続したものの住む予定がなく、売却して整理したいという場合に活用できます。 主な要件は次のとおりです。 ・相続開始の直前まで被相続人が一人で居住していた家屋であること ・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準) ・相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること ・売却代金が1億円以下であること この特例は2027年12月31日までの売却が対象とされており、令和6年(2024年)1月1日以降の売却分からは要件が一部緩和されました。従来は「耐震改修または取壊しをしてから売却すること」が要件でしたが、改正後は買主が売却後に耐震改修や取壊しを行う場合でも適用できるようになり、より使いやすい制度になっています。

空き家の発生を抑制するための住宅用地特例の見直し

これまで、住宅が建っている土地は固定資産税の「住宅用地特例」により税額が大幅に軽減されてきました(小規模住宅用地は課税標準が1/6)。しかし、これが「空き家でも建物さえあれば税金が安くなる」という状況を生み、空き家を取り壊さずに放置する一因になっているとの指摘がありました。 そのため、「特定空家」「管理不全空家」に指定され、市区町村から改善の『勧告』を受けた空き家については、住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税が大幅に増額される仕組みが設けられています。「特例がなくなる前に何とかしたい」という心理的な後押しを作ることで、空き家の解消・活用を促す狙いがあります。

一方で広がる「空き家税」導入の動き

空き家税とは

空き家を放置している所有者に対して、自治体が独自に新税(法定外税)を課す動きも出てきています。京都市では、「非居住住宅利活用促進税(通称:空き家税)」の導入が決定し、段階的に施行される予定です。 この税は、居住の用に供されていない住宅を保有する所有者に対し、家屋の価値・立地に応じた税額を毎年課すものです。空き家を「保有しているだけでコストがかかる」状態にすることで、売却・賃貸・解体など何らかのアクションを促すことを目的としています。

今後広がる可能性

京都市の事例は全国初の試みですが、空き家問題に悩む他の自治体でも同様の制度導入を検討する動きが出てくる可能性があります。「空き家を持っているだけで税負担が増える」時代が、今後一部の地域では現実になっていくかもしれません。

空き家を所有している方へ:今のうちに検討しておきたいこと

空き家をめぐる税制は、「活用・売却を後押しする特例」と「放置に対するペナルティ強化」が両輪で進んでいるのが現状です。実家や相続した不動産が空き家になっている、または将来そうなる可能性がある場合は、早めに方向性を検討しておくことが重要です。 ・売却する:空き家の3,000万円特例が使えるかどうかを確認する(耐震基準・売却期限などの要件チェックが必要) ・賃貸に出す:リフォーム費用や減価償却・必要経費の取り扱いを試算する ・解体して土地を活用する:解体費用と固定資産税の増額幅を比較検討する ・そのまま保有する:将来的に「特定空家」指定や空き家税の対象とならないか、自治体の動向を確認しておく どの選択肢が有利かは、物件の立地・状態・将来の活用見込み・税負担によって大きく異なります。

まとめ

空き家をめぐる税制は、特例による後押しとペナルティ強化の両面から、所有者に「行動」を求める方向に進んでいます。相続した実家や所有している空き家をそのままにしていると、将来的に固定資産税の増額や新たな税負担が発生する可能性も否定できません。 空き家の活用・売却・解体を検討する際は、税制上の特例の適用可否や税負担の試算が判断の重要な材料になります。空き家でお悩みの方は、早めに税理士にご相談ください。

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